隣にフランスがあるせいでベルギーの食はあまり注目されていないが、個人的にはフランスより安く、同レベルまたはそれ以上の料理を提供してくれるお店が多いと感じている
ミシュランの星つきレストランの数こそ少ないものの、人口比に換算するとフランスよりも多いと言われており知る人ぞ知る美食の国である
そんなベルギーでたまたま発見したお気に入りのお店を紹介する
私は生肉が好きでヨーロッパでは必ずタルタルステーキを食べる
前日のグランプラス沿いのお店が不発だったので、Googlemapで「近くのタルタル」を探したところ出てきたのがブリュッセル証券取引所とビール博物館の中にあるThe Brasserieというレストラン
当時、日本人の口コミはゼロ!私の中では日本人の口コミが少ない=ローカル感を味わえる美味しいお店だという方程式が成立しているので、もはや行かないという選択肢はない
(日本語の口コミ第一号は私)
建物の正面右にひっそりと出ているこの看板が目印
そしてこれが看板メニューのタルタルステーキ
正面の階段から行くことも出来るし、看板の裏の階段または看板左にあるエレベーターでも行ける
スタッフはみんな背が高くモデルのような方々ばかりですごくカッコいい!
ちょっと緊張しながら入店
最初に予約をしているか聞かれたが、していないというと4人席からテーブルを分割して席を作ってくれた
この建物は1800年代前半にナポレオンによって設立された
ネオ・ルネサンス様式の外観が非常に美しいが、レストランの内装は意外にもシンプル
テーブルと椅子は少々安っぽい気もするが、天井のモールディングに合わせて赤を基調としたドライフラワーが飾られていたりこだわりを感じる
さすがベルギー、このメニュー表は全部がビール
しかしこれは見る必要はない
なぜなら…
料理メニューにオススメのビールが一緒に書かれているからだ!(薄茶色の文字)
料理の種類は少なく、スターター(前菜)、メイン共に5種
ビール以外のアルコールは右側に書かれているがこれも少ない
前菜とメインで分けて書かれているとそれぞれ一つずつ頼まなきゃダメなのかな?と思うかもしれないがそこは食べたいものだけで問題なし
※デザートメニューは食後に貰えるが、満腹の為断ってしまい写真なし(HP掲載あり)
メニュー表にはタルタルステーキの表記はなし
看板の写真を見せたところ、メインの上から2つ目の
knife cut ‘American prepared’ steak with fries (house specialty)/24ユーロ
がタルタルステーキとのことでそれを注文
タルタルステーキは Tartar steak やSteak tartare と表記することもあるが西欧(特にベルギー)では Filet American と呼ばれることも多い
余談だが”タルタル”はアメリカ英語で、イギリス英語では”ターター”が正しい発音である
飲み物はタルタルにオススメのCrystal/3.5ユーロを注文
最初にビールとプチプチしたシード入りのパンが登場
バターも添えられているけど店員のクール系ブロンド美女が「オリーブオイルと塩がオススメ」というのでそれで食べた
酸味のあるしっとり・モチモチしたパンなので確かにオリーブオイルが合う
ビールはそんなに好きじゃないんだけどこれはサッパリしていて飲みやすい
ついにタルタルとご対面!
写真だと分かりづらいが私の手のひらと同じくらいのサイズ
牛肉、玉ねぎ、ケイパーが粗くみじん切りされ、マヨネーズで味付けされている
表面のマスタードもいいアクセントになる
一口食べて最高な気分になったが、更に最高なのが量が多いのでなかなか減らないこと
「美味しい!」「まだある!」の繰り返し
間違いなく人生で一番美味しかった!
クレソンは苦味がなく美味しい
どうやら岩塩とオリーブオイルで揉んである
このひと手間が美味しさの秘訣か
それから、ベルギーのレストランではフレンチフライが必ずついてくる
作り置きを提供するお店も多いけどここは揚げたてのアツアツだった
食事中オーナーと思われるラテン系男性が挨拶に回っていた
この価格帯のレストランにしては丁寧なほうだと思う
この日は12/30で元旦にはブルージュへ向かうためブリュッセルにいられるのもあと3日
またタルタルを食べておきたいと思い、明日は営業しているか聞いたところ
昼のみの営業で夜は休み、1/1も休みだそうだ
HPから予約もできるよ、とお店のHPアドレスが書いてあるカードを貰った
会計はカードのみで現金が入っているレジすら存在しないので注意
そして翌日…
昨夜HPから予約をして開店とともに入店
昨日接客してくれたブロンド美人はいなかったが、黒髪ショートカットのモデルのルビーローズに似たスタッフが「昨日も来たでしょ?覚えてるよ」と声を掛けてくれた
今日のパンは昨日と違って表面はハード、中はふんわり系でオリーブよりバターが合う
今回は朝食を抜いてきたので前菜の小エビのコロッケも注文
Duo of fernand obb’s shrimp croquettes parsley and lemon/18ユーロ
奥に写っているビールは甘いサクランボのビール
苦いビールはそれほど好きじゃないのでベルギーではよくこれを飲む
ジュースほど甘くはないが日本ではなかなか飲めないし、特に女性にオススメ
Framboise boon/4ユーロ
サックリと軽い口どけのコロッケで美味しいが、値段の割に小さく少々残念
コロッケに関しては翌日ブルージュで食べたもののほうが値段も安く大きく、満足度は高かった
付け合わせのパセリは何と素揚げされていた
タルタルのクレソン同様、手が抜かれがちな野菜まで美味しく食べられるよう仕上げてあるのには感動
愛しのタルタルと一日ぶりの再会!
しかし…色がなんか違う!!
恐る恐る食べてみると、味は昨日と変わらず美味しい
調味料の配分の違いだろうか、口コミの写真を見ても見た目にはバラツキがあるようだ
ビーのソースも入っていたので少量の差でも色に大きな違いが出てくるのかもしれない(看板の色味はこちらに近い)
なにはともあれ美味しいことに違いはないので、気にしないことにした
窓から太陽の光が差し込んで暖かくなってきた
世界で3番目に大好きな国に今一人でいられること、大好きなタルタルを一人で食べていることに大きな喜びを感じたひとときだった
またブリュッセルに来たら必ず再訪したい
このお店の情報をXに投稿したところ早速行ってくれた方がいた!
とても嬉しく励みになります!
店名:The Brasserie
住所:bourse de bruxelles, 1000 Bruxelles, ベルギー
訪問日:2023/12/30昼と12/31昼
注意:年末年始は12/31昼までの営業で1/1は終日休み
会計:初日
knife cut ‘American prepared’ steak with fries (house specialty)/24ユーロ
Crystal/3.5ユーロ
合計:27.50ユーロ/4,734円
会計:2日目
Duo of fernand obb’s shrimp croquettes parsley and lemon/18ユーロ
knife cut ‘American prepared’ steak with fries (house specialty)/24ユーロ
Framboise boon/4ユーロ
合計:46.00ユーロ/7,914円
注意:支払いはカードのみ
レストランの裏にはシンプルなステンドグラスが素敵な教会がある
こっちも寄ってみて!